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クリスマスのお菓子

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クリスマスのお菓子

 特に華やかな苺のショートケーキやフランス由来のブッシュ・ド・ノエルが定番です。しかし、世界に目を向けると、クリスマスを象徴するお菓子は、日本のような生ケーキではなく、日持ちのする伝統的な焼き菓子やパンが主流になっています。

これらの伝統菓子は、単なるデザートではなく、クリスマスを迎える期間(アドベント)に少しずつ食べたり、長期保存を可能にする特別な意味を持っています。

 世界のクリスマス伝統菓子【ヨーロッパ編】

各国には、その歴史と宗教観に根ざした、個性豊かな「クリスマスの顔」となるお菓子があります。

・ドイツシュトーレンは、ドライフルーツとナッツがぎっしり詰まった発酵菓子です。真っ白な粉砂糖が、キリストがおくるみに包まれた姿を象徴するとされ、アドベント(待降節)の期間中に薄くスライスして少しずつ食べる習慣があります。

・イタリアパネトーネは、ドライフルーツが入った円筒形の伝統的な菓子パンで、イタリア全土で親しまれています。

フランスブッシュ・ド・ノエルは、薪の形を模したロールケーキで、フランスのクリスマスに欠かせません。これは、暖炉で大きな薪を燃やして新年を祝うという古いヨーロッパの習慣に由来しています。

その他の伝統と習慣を持つお菓子

  • イギリスには、二つの代表的な伝統菓子があります。一つはクリスマスプディング。ドライフルーツやナッツがたっぷり入った濃厚でスパイシーな伝統デザートで、日本のプリンとは全く異なります。クリスマス前に作って熟成させるのが特徴で、食べる際にはブランデーをかけて火をつけ(フランベ)て楽しみます。もう一つはミンスパイ。ドライフルーツ、ナッツ、スパイスなどで作られた「ミンスミート」をサクサクのパイ生地で包んだ一口サイズのパイです。
  • オランダオリーボーレンは、冬の伝統的な揚げ菓子です。「油のボール」を意味し、生地を揚げたドーナツのようなもので、特に年末年始に食べられることから、日本の年越しそばのような存在とされています。
  • スペイントゥロンは、アーモンド、ハチミツなどを主原料とし、ナッツ類を固めたヌガーのようなお菓子です。硬いタイプと柔らかいタイプがあり、クリスマスだけでなく一年中楽しまれています。
  • ポルトガルボーロ・レイは、「王様のケーキ」を意味する伝統的なリング状の焼き菓子で、ドライフルーツとナッツがたっぷり入ったブリオッシュ生地が特徴です。クリスマスから新年(1/6まで)にかけて食べられます。

 長期保存できる理由

 日本の生ケーキと異なり、クリスマスを象徴するヨーロッパの伝統的な焼き菓子やケーキの多くは、非常に日持ちがするように作られているのが大きな特徴です。これは、大量の砂糖、スパイス、アルコール(ブランデーなど)を使うことや、水分を極力少なく焼き固める調理法によって、雑菌の繁殖を防ぎ、長期保存を可能にしているためです。

「世界中が共通してこれ!」という万国共通の料理はありませんが、「家族が集まり、ごちそうの肉を分け合い、伝統的な甘い菓子を囲む」というスタイルは、多くの国で共通するクリスマスの喜びの形と言えるでしょう。